
「自分がもう一人いたらいいのに」
経営者の方とお仕事をしていると、そんな言葉を聞くことがあります。
2023年からオンライン秘書として、さまざまな経営者の方のそばで仕事をさせていただく中で、ずっと感じていたことがありました。
それは、
「経営者が本当に大変だと感じていることは、仕事を誰かに任せることより、その仕事を“任せられる状態”にすることなのではないか」
ということです。
この気づきが、社長の経営時間を創出するバックオフィスサポート「ミギアシ」を発足させた、大きなきっかけとなりました。
今回から数回に分けて、「ミギアシ」の事業に込めた私の想いをお話したいと思います。
「整理してお渡ししますね」という一言
オンライン秘書として仕事をしていると、
「これもお願いしたいと思っていて…」
「この業務もお願いできますか?」
というご相談をいただくことがあります。
もちろん私は「できますよ」とお答えします。
すると多くの方が、
「じゃあ、一度整理してからお渡ししますね」
と言ってくださるのです。
大変ありがたい事ですが、
その言葉を聞くたび、私は少し気になっていました。
「その“整理する時間”こそ、実はとても大きな負荷になっているのではないか?」
ということです。
| ・今まで自分の感覚でやってきたこと ・「なんとなく」この順番でやっていること ・頭の中では分かっているけれど、誰かに説明したことはないこと |
それらをひとつひとつ言葉にし、
「まずAをして、その次にBを確認して、Cだった場合はこう判断して…」
と、人に渡せる状態にする。
この作業を実際にやってみると、想像以上に膨大な時間がかかることが分かります。
負担だったのは、業務量ではなく「整理する量」だった
経営者の方々は、日々、会社や事業を前に進めるために動いています。
| ・商品やサービスを磨く ・新しい販路を考える ・営業をする ・お客様と向き合う ・スタッフと話す ・これからの事業展開について考える |
皆さん、本来はそういった事に沢山の時間とエネルギーを注ぎたいと思っていらっしゃるはずです。
ところが、仕事を誰かに任せようとすると、もう一つ新たな仕事が増えます。
前述した「自分がやっていたことを整理して、言語化する」という仕事です。
頼みたいと思った、その業務の実際の作業時間は、さほど長くない業務かもしれない。
でも…
| ・何をしているのか ・なぜそうしているのか ・どういう基準で判断しているのか |
他人に分かるようにひとつずつ整理しようとすると、途端に大きな仕事へ変わります。
私はこれを、「業務量は多くなくても、整理量が多い状態」だと考えています。
そして、この「整理量が多い状態」を経営者一人で抱えていることが、仕事を手放すことができない理由の一つなのではないか、と思うようになりました。
AI活用・自動化…そこに必ず付いて回る「整理」の工程
これは、オンライン秘書に仕事を任せるときだけの話ではありません。
AIを活用するときも、業務を自動化するときも同じです。
| ・この業務をAIに任せよう ・この作業を自動化しよう |
そう思い立っても、実行する前には必ず、
| ・今はどうやっているのか ・何を基準に判断しているのか ・どこまで自動化して、どこから人が判断するのか |
と、いったん立ち止まって、業務の中身を整理するという壁が立ちはだかります。
世の中のツールがどれだけ便利に進化しても、
頭の中にある業務・アイデアを一度外に出して、整理するという工程はなくなりません。
だからこそ、これから必要になるのは「作業を代わってくれる人材」だけではありません。
経営者の頭の中に散らかっている業務を一緒に確認しながら、「整理して、誰かに任せられる形にしていくパートナー」。
そんな存在なのではないか、と強く感じています。
普通のオンライン秘書とは違います
私はこれまで、役員秘書として働いたり、自分が前に立ってお客様と関わる仕事をしたり、
オンライン秘書としてさまざまなジャンルのお客様のバックオフィス業務に携わったりと、
多様な形でサポートのお仕事をさせて頂いてきました。
そして現在は、自分の事業を経営する立場でもあります。
ですから、私は一般的にイメージされるようなオンライン秘書とは違って、
経営者の方とマーケティングについて話すこともあれば、事業戦略について話すこともあります。
でも、私はマーケターになりたいわけでも、経営コンサルタントになりたいわけでもありません。
私が本当にしたいのは、
その方が届けたいと思っているサービスや商品をしっかりと届けられる、事業の理想形を作るためのサポートです。
経営者は、私一人に伝える。
↓
私はその背景や意図まで理解して、業務を整理する。
↓
それぞれの仕事を適切なメンバーにつないでいく
このように、業務を手渡す仕組みが出来上がれば、
経営者一人が業務の整理に時間を費やしたり、何人もの人に説明し続けて時間を失っていく、といった機会損失を回避し、本来集中したい業務に全力を注ぐことができるのです。
この考えを形にした事業が、社長の経営時間を創出するバックオフィスサポート「ミギアシ」です。
「自分のクローンが欲しい」-その気持ちに応えるために-
経営者の方が本当に頼りたいのは、もしかすると「オンライン秘書」ではないのかもしれません。
「自分のコピーがもう一人いればいいのに」
そんな存在なのではないかと感じています。
もちろん、本当にクローンをつくることはできません。
ですが、
| ・その方が何を大切にしているのか。 ・どんな判断基準を持っているのか。 ・なぜ、その事業をしているのか。 ・どんな会社に育てていきたいのか。 |
そういった理念や想いまで深く理解して、「できるだけ近い目線で支える」ということは可能です。
そして、
「これは私が整理しておきますね」
「ここからは私たちに任せてください」
と、経営者の方が安心して業務を手渡せる存在になること。
それが、私の描く「ミギアシ」の事業イメージです。
経営者の方が「未来」に使える時間を増やす存在へ
私が、経営者の方々のサポートを通して考え続けてきたのは、
「その方が、ご自身にしかできないクリエイティブな仕事に集中できる環境をどのように作っていくか」
ということです。
そのために必要なのは、
「仕事を渡せる作業者」ではなく、
「渡せるようになるところまで、一緒に整理します」
という存在なのではないかと、今、強く確信しています。
オンライン秘書として、たくさんの経営者の方々のそばで仕事をさせていただいた経験があるからこその想いです。
まだ始まったばかりの事業ですが、
経営者の方の脳内にある考え・業務を一緒に整理し、裏側から支え、その方が本当に進みたい未来のために使える時間を増やしていく。
そんな存在を目指して、「ミギアシ」を育てていきたいと思っています。
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