任せたはずなのに何故?仕事が戻ってくる5つの原因

「SNS運用をスタッフに任せた」

「顧客対応を外注した」

「資料作成はもう自分ではやっていない」

仕事を少しずつ人に渡している。

それなのに、なぜか自分の仕事が減っていない。

そんなことはありませんか?

それどころか、

「これどうしますか?」

「確認お願いします」

「これで大丈夫ですか?」

と連絡が来て、結局自分が確認している。

気になって、自分から進捗を確認してしまう。

最後には自分で修正している。

これでは、

「任せたはずなのに、結局また自分の手元へ仕事が戻ってきている」

という状態に陥ってしまいます。

私たちも、クライアントのサポートをさせていただく中で、

特に、サポートを開始したばかりの段階では、この状態が起こることがあります。

これは、スタッフが悪いわけでも、経営者が人に任せるのが苦手だからでもありません。

仕事が戻ってきてしまうことには、いくつかの原因があるのです。

目次

仕事が経営者の手元に戻ってくる5つの原因

私たちは、この主な原因を主に5つに分けて考えています。

① 判断基準がない

何をOKとして、何をNGとするのかが定まっていないため、毎回「これどうしますか?」と確認がくる。

② 完了の定義がない

どの状態になれば、この仕事は完了なのかが曖昧になっているため、社長が直接確認するまで完了できない。

③ 担当者はいるけれど、責任者がいない

作業する人は決まっている。でも、その仕事全体を管理して、最後まで進める人がいない。

④ イレギュラー時のルールがない

通常業務は進められるけれど、少しでも想定外のことが起こると、すべて社長が判断しなくてはならない。

そして、最後にもう一つ。

⑤ 社長自身が手放しきれていない

これは、一体どういうことを意味するのでしょうか?

今回は、この5つ目の理由について、少し深く考えてみましょう。

「ちゃんとできているかな」と気になってしまうあなたへ

この気持ち、本当によく分かるのです。

今まで自分がやっていた仕事を誰かに渡したあと、

「ちゃんとできているかな」

「このクオリティで大丈夫かな」

「予定通り進んでいるかな」

といったように、どうしても進捗状況が気になるものです。

気になって覗いてみる。

そして「ここ、ちょっと違うな」と気づく。

「これくらいなら自分で直した方が早いな」

と思って、少し修正する。

気がつけば、結局また自分がその仕事をしている。

経営者とスタッフだけではなく、会社の上司と部下の間でも、よくあることかもしれませんね。

私はこのような状態を「社長が人に任せられないから」で終わらせて諦めるのではなく、

違ったアプローチで解決していけると考えています。

原因は「安心して任せられる状態」ができていないことにあった

人に仕事を任せると決めたとき、

「もうお願いしたんだから、気にしないようにしよう!」

と自分に言い聞かせても、実際、なかなか難しいものです。

気になるものは、どうしたって気になります。

では、どのように向き合えばいいのでしょうか?

この場合、私たちは、

気にしなくても大丈夫だと思える【状態】を先につくること

が必要だと考えています。

つまり、

「任せる力」を身につけようとするより「安心して任せられる仕組み」をつくる。

こちらを先に考えてみるのです。

「あれ、どうなった?」と思わなくていい作業ルールをつくる

例えば、スタッフに仕事を一つお願いする場面を想像してみましょう。

「これ、来週くらいまでにお願いします」

という一言だけで仕事を渡したら、どうなるでしょうか。

数日後、

「今、どこまで進んでるんだろう?」

と気になるかもしれません。

そして、

「進み具合はどうですか?」

と連絡する。

このとき、再び経営者の頭に仕事が戻ってきます。

だから、人に仕事を渡すときには、少なくとも、

・いつまでに
・どんな状態にして
・どこへ提出するのか

といったルールを決めておくことが大切です。

例えば、

「10月10日までに初稿を作成し、確認用チャットに提出してください」

とまで決める。

そうすれば、10月10日までは経営者が思い出す必要はなくなります。

私は、このルールをつくることが、とても大切だと考えています。

「完了」の基準を決めておく

もう一つ重要なのが、

「何をもって、この仕事を完了とするのか」という基準です。

例えば「イベントの申込者管理」の仕事を渡すとしましょう。

・申込者をスプレッドシートへ入力したら完了なのか
・入金確認までなのか
・参加者への案内メール送信までなのか
・開催後のお礼メールまでなのか

このラインが違うだけで、「任せた」の意味合いは大きく変わります。

経営者は「イベントの申込者への対応を任せた」と思っている。

スタッフは「申込者一覧への入力を任された」と思っている。

こういった食い違いがあった場合、どこかで「あれ?これ誰がやるの?」というトラブルが起こります。

そして最終的に、社長のところへ仕事が戻ってくるのです。

これは作業能力の問題ではなく、お互いの認識が違っていただけのことなのです。

作業の「責任者」の必要性

ここでもう一つ考えてみたいのが、担当者と責任者の役割分担についてです。

例えば、Instagramの画像を作る担当者がいる。

キャプションを書く担当者もいる。

投稿する担当者もいる。

それでも、

「今月のInstagram投稿が予定通り進んでいるか」

を確認しているのが社長だったらどうでしょう。

作業担当者はいる。

でも、全体の進捗状況を確認する人はいない。

だから結局、

「今月の投稿、全部準備できてる?」

「次の投稿いつ?」

「素材足りてる?」

と社長が確認することになります。

つまり、作業者はいるけれど、仕事を最後まで管理する責任者がいないこと。

これも、任せた仕事が社長に戻ってくる原因の一つです。

頭の中から仕事をなくすために「基準」を決める

ここまでお伝えしてきたように、私たちが仕事を手放して頂くときに大切にしているのが、基準を決めることです。

・いつまでに
・どんな状態まで
・どこへ提出するのか

・誰が責任を持つのか
・どの条件なら作業者が判断していいのか
・どんな場合だけ経営者に確認するのか

このような基準を決めることができると、

経営者自身も「ここまでは任せて大丈夫」

と思えるようになっていきます。

逆に、ここが曖昧になったままでは、

「あれ、大丈夫かな」という思いが頭から消えません。

そして、この「あれ、大丈夫かな」が積み重なると、

自分は作業をしていないのに、ずっと仕事をしているような感覚に陥ってしまうのです。

「任せておけば大丈夫」は、仕事を渡したあと少しずつできていく

人に仕事を渡したからといって、その瞬間からすぐに全てを手放せるわけではありません。

最初は確認してもいい。

質問がたくさん来てもいい。

修正が必要でもいい。

その状態から、

「ここは毎回聞かれるな」

「ここは認識がずれやすいな」

「ここまで決めておけば、もう確認しなくても大丈夫そう」

と、少しずつ基準を増やしていきましょう。

そうすることで、

「一から十まで確認しないと不安」だった仕事が、「任せておけば大丈夫」に変わっていきます。

この過程も全て「仕事を手放すこと」の一環です。

必要なのは我慢ではなく、手放せる状態をつくること

もし今あなたが、

「仕事を任せたのに、結局全部自分に戻ってくる」

「人に任せるのが苦手なのかもしれない」

と思っているのであれば、一度、

「本当に、自分が安心して任せられる状態になっているだろうか?」

と考えてみてください。

・期限は決まっているか
・完了の状態は決まっているか
・担当者だけでなく、最後まで管理する人がいるか
・判断基準は共有されているか
・経営者へ戻す条件は決まっているか

ここが整理されていなければ、気になってしまうのは当然です。

人に任せるために必要なのは、

「もう見ない」と我慢することではありません。

見なくても大丈夫な状態をつくることです。

手元から作業が離れるだけではなく、

「あれ、どうなったかな」

と考えることもなくなっていくこと。

そこまでできて初めて、経営者の頭の中に本当の意味での「余白」が生まれていくのだと、私たちは考えています。


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